インタビュー
福岡キャリア・カフェ ロールモデルインタビュー企画 【私のストーリー】
このコーナーでは、福岡キャリア・カフェ統括コーディネーターの村山由香里氏が、ロールモデルの女性に取材インタビューを行い、それぞれのキャリアの転機や今思うことなどを語ってもらいながら、「100人100色ワタシ色」のキャリアを描くためのノンフィクション物語とヒントをお届けしていきます。
第十七回は、コーネット可奈(カナ)さんにお話を伺いました。

コーネット可奈(カナ)さん
アクセンチュア株式会社
ビジネスコンサルティング本部 データ&AIグループ マネジング・ディレクター
業種: 総合コンサルタント業
従業員数:約28,000人
私のストーリー
AI・データサイエンス領域のコンサルタントとして
2012年、新卒で外資系コンサルティングファームに入社し、東京でキャリアをスタートしたコーネット可奈さん。AI・データサイエンス領域のコンサルテーションを専門とし、現在は管理職として国内外のAI・データ活用プロジェクトをリードしている。
入社当時は激務で、「子育てしながら働くなんて無理だ」と感じていた職場環境。しかし2017年頃から社内の働き方改革が一気に進んだ。20代後半、1人目の育休中に管理職就任の辞令を受け、復帰後は責任ある立場と初めての育児に全力で向き合った。この頃から、「いつか地元・九州で子育てしたい」という思いが芽生え始めたという。
2020年は第二子の妊娠、コロナ禍、夫の転職、そして福岡へのUターンと、仕事も生活も大きな転機となった。
「でも、人生でいちばん大変だったのは、2人目の出産後でした」

ピンチを越えて見えた「働き方の選択肢」
2021年、2回目の育休を経て職場に復帰。
「グローバル企業なので、オンライン会議やリモートワークは当たり前。コロナ禍は地方にいる社員にとっては、むしろ働きやすい環境だったんです」
しかし、ようやくペースをつかみかけた頃、夫の転勤が決まり単身赴任で愛知へ。
「日本企業って、転勤を断るのが難しいですよね」
家事育児の戦力だった夫が不在となり、1歳と5歳の子どもを抱えた“ワンオペ生活”が始まった。一方で仕事では、管理職としてチームを率いながら国内外の案件を牽引する日々。
「朝から夜まで家事・育児・仕事で、気がついたら蕁麻疹が出ていました」
両方のパフォーマンスを維持するのは難しいと判断し、週4日の短日勤務へ切り替えた。短日と時短を組み合わせながら徐々にフルタイムへ戻す“ソフトランディング”を実行。フルタイム復帰のタイミングで夫が福岡へ戻り、今度は夫が時短勤務を取得。夫婦で協力しながら、仕事と育児のバランスを整えている。

私流リーダーシップ
全国のメンバーとつくる、プロジェクト型の仕事
管理職となり仕事の幅が広がったというコーネットさん。固定のチームで動くのではなく、案件に応じて全国から最適なメンバーを選び、プロジェクト単位で進めていく。
「パズルのピースが“カチッ”とはまるようにメンバー編成が決まったとき、プロジェクトは強くなるんです。人をどう育て、どう機能させるかに面白さがあります」
社内の女性管理職は4割と多い一方で、「女性はチャレンジに足踏みしがち」だと感じることも。自身の経験を後輩たちに伝えていきたいと話す。
上司に話しかけやすい空気こそ、チームを強くする
「話しかけるハードルが低いリーダーでいたいんです」とコーネットさん。
アクセンチュアには階層を超えてフラットに意見を言い合う文化があるが、組織拡大とともに「自分が話しかけづらい立場になっている」と気づいたという。
「今は“リーダー”と呼ばれる立場になり、メンバーが直接声をかけるのをためらう場面もあります。育児やキャリアの悩みって“ちょっとした一言”が心を軽くすることも多い。だから、どんな相談でもチャットしてくれていいんだよ、という空気を意識的につくっています」
自身がワンオペ育児を経験したこともあり、若手からの「両立の相談」「地方勤務のキャリア相談」にも積極的に耳を傾けている。
「管理職というより、気軽に話せる“先輩”でありたい。悩みを言葉にするだけで救われる瞬間って、誰にでもありますよね」

私のロールモデル
コーネットさんには、特定のロールモデルはいない。「仕事の遂行能力はこの人」「お客さんとの会話の進め方はこの人」など、良いと思う部分を少しずつ取り入れてきたという。20代の頃、アメリカで働いた日本人男性上司から学んだ「多様な働き方を受け入れる姿勢」や、育児中の女性上司から学んだ「力を抜く上手さ」など、出会った上司の価値観が現在の礎となっている。
社外メンターとして
以下、テーマについて御相談に乗ることができます
#管理職へのチャレンジ
#自分なりのキャリアの見つけ方
#子育てとの両立宗
#結婚・出産のライフプランと キャリア
#DX推進/ITスキル
所属事業所概要
アクセンチュア株式会社
従業員数:約28,000人 ※2025年9月時点
【取材後記】
AI・データサイエンスという最先端の領域で働きながら、子育てのためにUターンを決断した背景には、「どこにいても成果を出せる」というコーネットさん自身の覚悟がある。「子どもが成長する過程を見ながら、私自身のキャリアもアップデートしていきたい。AIも育児も、止まることはないですから」。学生時代を過ごした福岡の街で、のびのびと子育てをしながら挑戦を続けるコーネットさん。その視線はまっすぐ未来を見つめていた。
(取材・文 村山由香里)
福岡県女性人材育成のためのネットワーク形成事業