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月イチ・キャリアトーク「仕事も子育ても、あきらめないキャリアのつくり方」開催レポート

2026年10月7日(水)、今年度第5回目となる月イチ・キャリアトークを開催しました。

今回は今年度初めての午前中開催。子育て真っ只中のママなど、「午前中だから来られた」との声も。現地とオンラインのハイブリッド開催となり、当日は36名の皆さんにご参加いただきました。

今回のテーマは「仕事も子育ても、あきらめないキャリアのつくり方」。子育てとキャリアの両立、キャリアの停滞期などさまざまな壁にぶちあたる子育て期。課題を抱えながらも、自分らしく働く3名のロールモデルに、それぞれが乗り越えた壁、今に至る経緯などを語っていただきました。

💡 心に刺さる、当日の「ピックアップワード」

トークライブ中、参加者の胸を熱くしたロールモデルたちの言葉の数々を紹介します。

「子育てしかしてきていないと思っても、そこで培った経験は必ず大きな強みになる。誰にでもチャンスはあります。」 ――稲岡 由梨さん

「キャリアコンサルタントという資格も知らなかった。でも一歩踏み出したら、これまでの点と点がつながって、仕事のイメージがどんどん膨らんでいきました。」 ――入間川 美佳さん

「情熱をちゃんと注げるのか、自分自身の中で納得感をしっかり持って、キャリア選択してきたと思います。」 ――谷川 智代子さん

「お母さんだから笑顔で、完璧で、と考えず無理はしないように。ありのままを見せながら自分をご機嫌にすることも大切だと思います。」 ――稲岡 由梨さん

 「キャリアの頂点を一つ定めたら、そこにたどり着く道は無数にある。小さな一歩を探していくことが大切。」 ――入間川 美佳さん

「愛情をかけて子育てしているお母さんだからこそ、気付ける視点などもあると思います。子育て期をハンデと思わず、どんどんトライしてほしいです。」 ――谷川 智代子さん

【今回のパネリスト】

● 稲岡 由梨 氏(街の相談室ほろん 管理者 / 社会福祉士・相談支援専門員)

福祉の相談員として約20年間走り続けた後、福岡市東区で「街の相談室ほろん」を開設。現在はスタッフ10名と共に、駄菓子屋も併設した「地域のみんながホッとできる相談窓口」を温かく運営中。

● 入間川 美佳 氏(セルアド株式会社 支援本部・支援統括マネージャー)

大手損保会社でバリバリ働いた後、夫の転勤で8年間のブランク(どん底期)を経験。子どもが持ってきた1枚のチラシをきっかけに資格取得し、現在は時短の正社員管理職として自分らしくイキイキと奮闘中。

● 谷川 智代子 氏(株式会社イコニコ・カンパニー 広報企画)

結婚・出産で一度はキャリアを手放すも、待機児童をきっかけに個人事業で「ママリボン」を主宰。コロナ禍での転職も経て、現在は子育て支援企業で広報企画としてパワフルに活躍中。

第1章:ぶつかった壁と葛藤、そして「私らしさ」を取り戻すまで

仕事が好きで続けたいのに、ライフイベントや環境の変化で立ち止まらざるを得ない時。どんな葛藤を抱え、どんな想いで過ごしていたのでしょうか。

● 「すみません」から始まる毎日と組織の壁。働き方に葛藤しながら向き合った日々(稲岡さん)

第1子出産後時短勤務で復職。1時間かけて通勤するも数時間後に保育園から「お子さんが熱です…」と電話がかかってくる。「すみません」で始まる毎日は、振り返れば「辛かったかもしれない」と話します。当時は会社が「在宅ワーク不可」だったため、子どもが肺炎で入院すれば周りに助けてもらいながら仕事を継続。仕事が大好きで辞める選択肢はなかったものの、働き方へ葛藤を抱きながら懸命に仕事と向き合ってきた日々を語ってくれました。

● 見知らぬ土地でのワンオペ育児と、長いブランク期を支えた「仕事への思い」(入間川さん)

新卒後入社した会社では、チームで成果を上げ、仕事の面白さを知り、バリバリ働いていた入間川さん。結婚前は仕事=アイデンティティだったと話します。結婚後、転勤族の夫について見知らぬ土地でのワンオペ育児を経験。ブランクとなった8年間は長いトンネルだったと振り返ります。それでも心の中では「いつか絶対あの場所に戻るぞ」という灯火を消さず持ち続けました。

● 待機児童の壁から自ら道を切り拓く。「仕事人としてどうありたいか」の問い(谷川さん)

もともと教務と広報の仕事をしており、仕事が好きで続けたかったが、子どもが1歳のとき待機児童に。働きたくても働けない状況の中、今の自分に出来ることはないかと考え、「子育て」×「企画」を生かす「ママリボン」という社会とママをつなぎ、イベントを行うなどの事業を始めます。業務委託などで仕事を受注するも、コロナ禍の影響を受け、転職。壁にぶつかるたびに、「自分は仕事人としてどうありたいのか」を問い直し続けました。「納得できる道」を自身で選び取ってきたその姿勢に、大きな勇気をもらいます。

第2章:小さな一歩と柔軟な工夫で切り拓く、私だけのキャリア

キャリアのモヤモヤ。そこからどうやって一歩を踏み出し、今の輝きにたどり着いたのでしょうか。

● 組織の枠にとらわれず独立。自分の経験を活かした相談室を開設(稲岡さん)

「地元で転職しようか…」など考える中、「自分の経験を活かして、自分がやりたい相談室を作ろう」と考え方を変え、独立することに。今では、行政指定の仕事などを請け負い、子育て中のパパママを始めとする10名のスタッフを抱えています。資格が無くても現場経験を積みながら資格取得を目指す「相談支援専門員」という仕事についてもお話しいただきました。

● 娘が持ち帰った一枚のチラシを転機に。時短勤務の管理職として再出発(入間川さん)

扉を開いたのは、なんと小学校1年生の娘さんが学校から持ち帰ってきた「キャリアコンサルタント養成講座」のチラシ。「学べば、何か糸口が見えるのでは」と発想を切り替え、受講を決意。家を福岡に構えたこともあり、この道で進もうと決め現職に。今では時短勤務の正社員、管理職としてチームを引っ張る存在となっています。

● 「母親の経験は社会の役に立つ」。我が子を抱えて営業に走った(谷川さん)

子どもが1歳の時に立ち上げた「ママリボン」。「お母さんに嬉しいサービスが世の中に増えることは、社会的にもとても価値が高いことなんじゃないか」という仮説を持ち、個人事業として活動を開始。子どもを抱っこ紐に抱きかかえ美容室などに営業に行ったそう。企業からイベントを受託するなどで成り立っていたが、コロナ禍という壁に直面。ブランディングスキルを身に付けたいと、転職を決意し食品メーカーへ。しっかりと働きスキルを積み、改めて家事代行やベビーシッターなどの利用を進める育児事業である現職に携わっています。

Q&Aコーナー(参加者からのご質問に答えて)

トークの後半では、参加者から寄せられた切実な質問に対し、パネリストが自身の体験を交えて具体的に回答しました。

質問:子どもが小3なので子育てとのバランスを重視していますが、いつ頃からキャリア重視に舵を切るべき? 思春期以降のリアルも知りたいです。

入間川さん:職責が重くなり夕方にクライアントからの連絡が多く入ってきます。そんな時は、子どもに仕事の状況をこまめに共有し理解し合えるように努めています。

谷川さん:舵を切るというより仕事と子育てを分けて考えるのではなくグラデーションのように捉えています。激務の時は「今こういうボリュームの仕事が入ってきて、一緒にいられる時間が減るかもしれないけれど、お母さんやりたいんだよね。その代わり土曜日は思い切り遊ぼうね」と子どもに話すようにしています。メリハリをつけて子どもとの時間も楽しんでいます。

質問:仕事も子育ても両方やりたいのに、何度も諦めそうになります。メンタルの保ち方やハードルの越え方は?

谷川さん:母親の時の自分と、仕事の時の自分をスイッチで切り替えています。自由な時間は自分に戻って全力で過ごし、子どもを迎えに行く時は「お母さんを楽しもう」と「お母さんスイッチ」を入れる。そうすることで余裕を持って接することができるようになったと思います。

稲岡さん:母親だからと完璧を目指して無理をせず、疲れた時はありのままを見せつつ、美味しいおやつを食べながらコーヒーを飲んだり、マッサージに行ったり自分にご褒美をあげるようにしています。

その他、パートナー(夫)との家事・育児分担についてなどについても質問が。「夫が料理や買い物を担当」「単身赴任の夫が帰ってくる時は3食作ってもらい徹底的に甘える」「やれる時にやれる方がやる」と、それぞれの家庭に合わせた対応策をとっていました。

エピローグ:未来のキャリアを考える方へ

最後には、3人のロールモデルから会場の皆さんへメッセージが贈られました。

稲岡さん:『子育てしかしていないから…』と諦めないでください。しっかり子育てをしてきた分、それは必ず強みになりますし、社会とつながるチャンスは誰にでもあります。ぜひ、仕事も子育ても諦めず、自分なりの『いい感じのペース』を見つけていってくださいね。

入間川さん:復職や正社員、昇格など、まずは大目標(頂上)を一つ定めてみてください。そこにたどり着く道は無数にあります。周囲の協力体制や子どもの年齢から自分の稼働時間を逆算し、今の自分ならどんな仕事ができるかという小さな目標を立てて、次の一歩を探していきましょう!まずはご自身を一番に大切にしてください。自分が満たされることが、周りの家族や大切な人を支える力に繋がっていきます。

谷川さん:子育て期のキャリア形成は世の中でハンデとして扱われがちですが、愛情かけて子どもを守り育てている皆さんだからこそ気づける視点が必ずあります。それは後々、絶対に自分自身の価値として生きてきます。どんな小さなことでも自分の引き出しを増やすことにつながるので、引け目を感じず、どんどんトライしてください!

第2部の様子

第2部ではグループに分かれ、パネリストや事務局スタッフを交えた交流会が行われました。

参加者のアンケートからは

第2部ではグループに分かれ、パネリストや事務局スタッフを交えた交流会が行われました。

参加者のアンケートからは

「模索しながらその時々の変化を受け入れながら今の働き方にたどり着いていらっしゃることに共感しました。」

「話しやすい雰囲気と福岡キャリア・カフェの名の通りリラックスできました。 焦らずその時その時に選択していいという気持ちになり、すごく元気をもらいました。」

「色んな葛藤をしながらも自分がありたい姿に向けて歩んでいく姿が印象的で、私にもできる!と思えたし、やっていこう!という気持ちになりました。ありがとうございます!」

など、たくさんのご感想をいただきました。

【編集後記】「母親の経験は強みになる」「無理せず模索しながらも進んでいけばいい」。そんなメッセージは、両立やキャリアで悩み進む皆さんの背中を押し、温かくもまっすぐに届いたようでした。メモを取ったり、頷いたりする様子も多くみられました。

さて、次回の「月イチ・キャリアトーク」は11月4日(水)19:00〜20:50「仕事の面白さが、ひとつ広がる。リーダーというキャリア」をテーマに、現地とオンラインのハイブリッドで開催予定です。申込みが必要ですので、ぜひ公式HPやInstagramをチェックしてみてください!