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月イチ・キャリアトーク「キャリアと健康、私らしく働き、私らしく生きる」開催レポート

2026年9月2日(水)、今年度第4回目となる月イチ・キャリアトークを開催しました。

現地とオンラインのハイブリッド開催となり、当日は合わせて49名もの皆さんにご参加いただきました!


今回のテーマは「私らしく働き、私らしく生きる〜キャリアと健康〜」。仕事に邁進する中で誰もが直面しうる「心身の不調」や「病気」という壁に対し、3名のパネリストから自身のリアルな経験をもとに、どのように立ち止まり、自分らしい生き方・働き方を取り戻したのかをお話しいただきました。

💡 心に刺さる、当日の「ピックアップワード」

トークライブ中、参加者の胸を熱くしたロールモデルたちの言葉の数々を紹介します。

「人生って本当に何が起こるかわからない。でも、自分の豊かな経験を生かせば誰かの勇気や救いになる」 ―― 田代 佐栄子さん

「自分の思い通りにならない現状でも、その先どうありたいかから逆算して行動していくことが大切」 ―― 廣重 元子さん

「あの時の発作と休業は、神様が自分に与えてくれたもの。不調があったからこそ立ち止まることができた」 ―― 水田 ともこさん

「ただでは起き上がらない。自分の経験を生かして、自分にできることをやる」 ―― 田代 佐栄子さん

「一人で抱え込んでしまわないこと。役割に合わせて複数の頼り先を持つことが大事」 ―― 廣重 元子さん

「素直に全部の自分をそのまま受け入れて、その時々にできる判断を精一杯考える。結局、判断して決断したことで人生は組み立てられていく」 ―― 水田 ともこさん

【今回のパネリスト】

田代 佐栄子さん(NPO法人キャンサーサポート理事/こども食堂パープル代表)

がんサバイバーとしての経験を生かし、学校での「がん教育」に尽力。また、がん患者や家族を支援し、地域一丸となってがんと向き合うチャリティーイベント「リレー・フォー・ライフ・ジャパン福岡」では実行委員長を務め、こども食堂の代表として、社会貢献活動も行う。

●廣重元子さん(エンパワテック ソサエティー株式会社代表取締役/マーベラ春日訪問看護ステーション 所長)

看護師として産婦人科・精神科領域に携わり、自身も仕事と家庭の両立に悩んだ経験を持つ。現在はエンパワテックソサエティー株式会社代表として「マーベラ春日訪問看護ステーション」を運営。訪問看護とITを組み合わせ、児童思春期や産前産後を中心に女性と家族のウェルビーイングを支える新しい支援に取り組む。

水田 ともこさん(一般社団法人まち育ミライlab. 代表理事) 子育てコミュニティの主宰から始まり、フリーランスを経て法人を設立。現在は行政や企業との共創事業、子育てアプリの開発、女性のリカレント事業など多岐にわたる事業を牽引する。

第1章:立ち止まり、見つめ直す——人生の舵を切った「健康の壁」

トークは、3人がそれぞれ直面した「健康の壁」や、それに伴う人生の転換期についての話題からスタートしました。

自身の体の異変への気づきと、大病と向き合う(田代さん)

長男出産後に子宮頸がんの疑いがあり、検診でがんセンターに通っていた田代さん。その後も自身の体の異変を感じ、相談するも「更年期では?」と言われるのみ。何度も異変を伝え、やっとがん検査の実施に至りました。それが、がんの早期発見につながりました。日ごろから自分の体に向き合い、医師に相談することが大切だと話します。

我が子の闘病と孤立した育児の経験が、母と家族を支える原動力に(廣重さん)

2番目のお子さんに病気が見つかり、手術・人工呼吸器やNICUでの闘病を経験。当時は働こうにも働けず、孤立した育児の大変さがありました。さらに、家族に病気を持つ人がいることで、他の子どもたちも孤独を感じてしまうなど、さまざまな面で負担や負の連鎖が生まれることを身をもって体感しました。

薬でごまかした日々と、娘の涙で気づいた限界(水田さん)

7年間の専業主婦から、フリーランスからの仕事復帰を経て、会社経営へとキャリアを積みます。昼夜問わず働き、経営の責務を背負う中で、35歳後半から頭痛や胃痛、さらには原因不明の息苦しさや発作に襲われるようになりました。薬でごまかしながら走り続けていたものの、娘たちが自分を見て不安そうにする姿に直面し、「このままではダメだ」と1年間の休業を決意します。

第2章:立ち止まった経験が、どう仕事や生き方につながっていったのか

続くパートでは、その過酷な経験や立ち止まった時間が、どのように現在の仕事や生き方、マインドの変化につながっていったのかが語られました。

「せっかく生かされているなら」――社会貢献とこども食堂の道へ(田代さん)

田代さんは、大病の治療後、心身がストップし「空白の時間」を過ごします。しかし、自分の元気がないことで周囲に心配をかけていたことにハッとさせられ、「せっかく生かされているなら人のためになることをしたい」と立ち上がります。身近なPTA活動から始め、学校でのがん教育や、NPO法人キャンサーサポートに飛び込み、その後こども食堂の運営など、自身の経験を社会に還元する活動へと踏み出しました。

体験したから分かる―。お母さんと家族に寄り添う訪問看護へ(廣重さん)

家族が直面した「孤独の連鎖」を深く知っているからこそ、今「支援しているお母さんやご家族の気持ちに寄り添える」と話す廣重さん。この時の体験が、現在の訪問看護ステーションの仕事へとつながり、孤立しがちな産前産後のお母さんや子どもたちを支え、「女性とその家族のウェルビーイングの実現」というミッションを体現する大きな原動力となっています。

「自分の幸せとは何か」を見つめ直し、生き方・経営を再構築(水田さん)

休業を決意した水田さんは、社員の雇用形態を委託契約に切り替え、財務指数を最小限に抑えるなど1年間の休業体制を整えます。この休業期間について、「きつかったけれど、自分の健康や社員の健康について考え、生きる意味を考え直せたありがたい1年間だった。この経験に心から感謝しています」と当時を振り返ります。

Q&Aコーナー(参加者からのご質問に答えて)

イベント後半では、参加者から寄せられたお悩みや質問に対し、パネリストの皆さんが自身の経験を交えてアドバイスをくださいました。

質問:心身の不調でキャリアを手放す、または立ち止まらざるを得なくなりました。今の自分に合った働き方を作り直すために大切なことは?

田代さん: 自分のこれまでの豊かな経験を棚卸しして、自分にしかできないこと・できることをやっていくことです。

廣重さん: その時々の自分を受け入れていくこと。また、現状が思いどおにならなくても、その先どうありたいかから逆算して行動していくことが大切だと思います。

水田さん: 素直に全部の自分をそのまま受け入れること。そして、その時々にできる判断を精一杯自分で考えることです。決断の積み重ねで人生は組み立てられていくので、自分で判断していくことが大切です。

質問:心身の健康を維持するために大切にしていることは?

水田さん: 朝起きる時間や寝る時間、食べる時間といった、基本的な生活リズム・スタイルを大切にすることです。

廣重さん: 一人で抱え込まず、役割ごとに「頼り先」を分けて選ぶことです(経営のことは先人に、家庭のことは身近な人や家族に頼るなど)。

田代さん: 質のいい食事(質のいい油や野菜)をすることと、楽しいことを見つけることです。

質問:婦人科系の病気の際などに、男性上司へ伝える必要があり気まずい思いをします。職場とスムーズに連絡を取るコツは?

廣重さん: 「男性だから/女性だから」という概念を一度外してみることが大事です。事実を伝えて、どのような配慮をしてほしいか自分から求めていくこと。また、社内にハブになる人を見つけて介入してもらうのも有効です。

質問:仕事を休むほどではない「ちょっとした不調」に困っています。対策はありますか?

水田さん: まずは一度受診しておくことです。原因が分からなくても、ちゃんと検査してもらうことで「体の物理的な問題ではない」と分かり、一定の安心感が得られます。

エピローグ:未来のキャリアを考える方へ

最後には、今キャリアや健康のバランスに迷っている参加者へ向けた温かいメッセージが贈られました。

田代さん: 自身の経験は、必ず誰かの力や救いになります。自分の行動で周囲も変えていけるので、どんな経験も前向きに生かしていってください。

廣重さん:まずはご自身を一番に大切にしてください。自分が満たされることが、周りの家族や大切な人を支える力に繋がっていきます。

水田さん:人生の中には色々な時期がありますが、今日の話が頭の片隅に残り、自分の心や体を調整する引き出しの一つになれば嬉しいです。一緒に長く健やかにキャリアを築いていきましょう。

第2部の様子

第2部ではグループに分かれ、パネリストや事務局スタッフを交えた交流会が行われました。

参加者のアンケートからは

「今日のテーマは、過去の経験から深く共感できました。心身の不調を機に立ち止まることはマイナスじゃないという言葉が励みになります。」

「リアルなお話しが聞けました。誰かに相談したいけど、誰に相談したらいいのか分からず、今日沢山のお話しが聞けて前向きな気持ちになれました。」

「いろんな方のお話を聞けて、自分だけじゃないんだと勇気をもらえた。」

など、たくさんのご感想をいただきました。

【編集後記】 仕事に情熱を注ぐあまり、ついつい自分の心や体のサインを見逃してしまいがちな私たち。今回のトークライブでは、3名のパネリストが病気や不調という大きな壁を「人生のストップ」ではなく「立ち止まって自分を見つめ直すための大切な転機」として捉え直している姿がとても印象的でした。自分の心の声に耳を傾けることの大切さを改めて実感する機会となりました。

次回の「月イチ・キャリアトーク」は10月7日(水)10:00〜11:50から、「仕事と子育ても、あきらめないキャリアのつくり方」をテーマに、現地とオンラインのハイブリッドで開催予定です。申込みが必要ですので、ぜひ公式HPやInstagramをチェックしてみてください!