レポート

2026年6月17日(水)、今年度初となる、月イチ・キャリアトークを開催しました。
今年度から、月イチ・キャリアトークは、子育て中や遠方の会員の皆さんの声にお応えして、現地とオンラインのハイブリッド開催。
当日は、全部で52名もの皆さんにご参加いただきました!
今回のテーマは、「迷いも不安も、キャリアを動かす一歩に」。ビジネスの第一線や伝統工芸の世界で活躍する3人の女性ロールモデルが登壇し、今だからこそ語れるリアルな失敗談や、迷いを乗り越えた本音のトークライブが繰り広げられました。
💡 心に刺さる、当日の「ピックアップワード」
トークライブ中、参加者の胸を熱くしたロールモデルたちの言葉の数々を紹介します。
「絶対みんな失敗もするじゃないですか。トライ&エラーをする中で、自分は立ち直っていけるっていう自信にもつながったんですよね。」 ―― 阿南 由美さん
「その時生まれたのが、私はこのままの人生で果たして自分が後悔しないのかっていう思い。心にひっかかっていたことに気付きました」―― 木村 ゆき子さん
「自分の中でチューニングというか、違和感を整理しながらやってきましたね」――マツオ シゲコさん
「人生の中で判断をしなければならない場面っていうのがあると思うんですね。 その度に迷いや不安が生じるのは当然だと思います。 その時、挑戦した時の自分と挑戦をしなかった時の自分を思い浮かべるといいと思います」―― 阿南 由美さん
「悔しさやハングリー精神があったからこそ、長く続けられたのだと思います」 ―― 木村 ゆき子さん
「『周りにいい人がいっぱいいるな』と感じた時、自分の立ち位置は間違っていないんじゃないかなと思います」 ――マツオ シゲコさん
【今回のパネリスト】
●阿南由美さん(株式会社マイソル 取締役 COO)
自分らしく働く多様性のある社会の実現を目指し「ごちゃまぜが最強」をテーマに、コンタクトセンター事業やダイバーシティ経営のコンサルティングを展開。AI化が進む現代において、多様な組織づくりを行っています。
●木村 ゆき子さん(木村博多織手織り専門工房 博多織伝統工芸士)
14年半のホテル勤務を経て、父である1代目のもとで伝統工芸・博多織の道へ。2025年、伝統工芸士に認定され、手織りの帯やストールなどの商品制作、展示会活動を行っています。
●マツオ シゲコさん(think&writeフリーランス/広報アカンパニスト)
企画会社やホテル、編集部などを経て2008年に独立。これまで50以上の企業や施設の広報支援に携わり、直近では天神の大型複合施設「ワン・フクオカ・ビルディング(ワンビル)」の開業プロジェクトにも携わっています。

第1章:キャリアの原点となった「最初の大きな転機」
トークは、3人の現在のキャリアへとつながる「最初の転機」の話題からスタートしました。
●25歳、スーツケース一つでカナダへ(阿南さん)
阿南さんの転機は24歳の時。大手保険会社という安定した環境に身を置きながらも、「人生一度きり、海外で生活してみたい」という強い熱望から、周囲の反対を押し切ってワーキングホリデーでバンクーバーへ渡りました。
「100万円とパスポート、スーツケース一つだけで、住む場所も決めずに行きました」と語る阿南さん。そこで目にしたのは、同年代の女性が室長としてマネジメントを担い、男女半々のマネージャーが活躍する姿。この多様性とジェンダーへのカルチャーショックが、現在の「ダイバーシティ&インクルージョン」を軸とした人材ビジネスへとつながっています。
●先輩の死をきっかけに、見つめ直した人生(木村さん)
短大卒業後、ホテル業界で14年半のキャリアを積んだ木村さん。そんな彼女を動かしたのは、33歳の頃訪れた、お世話になっていた先輩の急逝でした。
「元気だった方がいきなり亡くなるということに衝撃を受け、自分がいつ死ぬかわからない、このままで後悔しないのかと考えが変わっていきました」と当時を振り返ります。
かつて25歳の時に会社を辞めようとした時は引き止められましたが、家業の博多織の道へ本気で進むと決めた時は、何の引っかかりもなくすんなり進んだという不思議な感覚があったそうです。
●音楽の世界からクリエイティブ、そして地方へ(マツオさん)
短大でピアノを専攻し、周囲が誰も就職活動をしない環境からキャリアをスタートさせたマツオさん。偶然目にしたキャッチコピーの看板に衝撃を受け、「これを作る人になりたい」とクリエイティブの世界へ飛び込みました。
その後、企画や広報、編集など「情報の入り口から出口まで」を夢中で経験する中で、31歳の時に夫から「県外に行かないか?」と打診されます。「自分の責任で辞めるのではなく、夫についていけば何か楽しいことができるかも!と、『人のせい』にして会社を辞めたんです」と笑いを交えながら語るマツオさん。この後続く、環境の変化こそが、のちにフリーランスとして大きく羽ばたく転機となりました。
第2章:失敗や遠回りは「最強の財産」になる
「今だから話せる失敗や本音」に迫ると、会場の空気はより一層真剣なムードに包まれました。
● 管理職時代の「降格人事」を糧に(阿南さん)
帰国後入社した人材業界の会社で、キャリアを積み上げ、若くしてチーフマネージャーに就任した阿南さんですが、2年目に何をやってもうまくいかない負のスパイラルに陥り、降格人事を言い渡されます。「厳しい経験でしたが、逃げずに受け止めて自分と向き合いました」。結果、1年後に見事マネージャーへと返り咲き。この痛みの伴う経験が、経営陣として人事を行う現在の大きな強みになっていると話します。
●「準社員」からのスタートが育てたハングリー精神(木村さん)
就職活動に出遅れ、中途採用の「準社員」としてホテルに入社した木村さん。後輩が正社員として入社し、給与やボーナスの格差に葛藤やモヤモヤを抱える日々が続きました。しかし、「腐らずに自分の仕事をきっちりこなそう」と奮い立たせ、のちに正社員へ昇格。「あの時、悔しさやハングリー精神があったからこそ、長く続けられたのかなと思います」。
● 名刺から肩書きを消し、編み出した「広報アカンパニスト」(マツオさん)
フリーランスとしてライターや企画など様々な案件を柔軟にこなしていたマツオさんは、「企業の担当者から『肩書き』で能力の領域を決めつけられてしまう」という壁にぶつかります。そこでマツオさんが取った行動は、「名刺から肩書きを外し、名前だけにする」ということでした。「表には『マツオ シゲコ』だけ。日本人の方ですか?と聞かれたこともあるんです」というエピソードに会場からは笑いの声が上がりました。その経験から、自ら生み出した「広報アカンパニスト(伴走者)」というオリジナルの肩書きで現在も活躍しています。
第3章:私の「小さなルーティン」
参加者からの「不安な時に続けていた行動や習慣は?」という質問に対し、3人からはすぐに実践できる素敵なヒントがシェアされました。
阿南さん: 「どんな心理状態の時でも、大きな声で明るく挨拶をする」
20代から続けるこの習慣は、周りを明るくするだけでなく、自分自身へ「元気にやっていくぞ」というモチベーションをかけるスイッチになっています。
木村さん: 「不安とまったく関係のない、好きなことに没頭する」
大好きな音楽のCDショップへ行き、ジャケット買いをして音楽の世界に浸ることで、心をリセットしていたそうです。
マツオさん: 「日々、自分の機嫌をとる選択をする」
食べたいものがあれば敢えて少し高いものを買う、少しいいハンドウォッシュを使うなど、日々の小さいことの中で機嫌をとる。自分が何で機嫌が良くなるかを知っておくことが大切だと語りました。
エピローグ:参加者のみなさんへ、3人からのメッセージ
最後に、これからのキャリアを模索する参加者に向けて、温かくも力強いメッセージが送られました。
阿南さん:「挑戦した自分と、挑戦しなかった自分を想像してみてください。失敗の後悔よりも、『あの時やっておけばよかった』という後悔の方が、心に長く残り続けます。トライとエラーはセットです。人生一度きり、一緒に一歩を踏み出しましょう」
木村さん:「すぐに仕事を変える決断は難しくても、やりたいことにつながる習い事や学び(着付けや色彩など)から始めてみるのもおすすめです。働きながら学び、自分に向いているか考えながらチャレンジしてみてください」
マツオさん:「自分が不安な時は、周囲にいる人を見てみてください。『周りに良い人がたくさんいるな』と思える時、あなたの立ち位置は間違っていません。自分自身が良い状態である証拠ですから、自信を持って進んでください」
第2部の様子

参加者のアンケートからは
「参考になる話が聞けて前向きな気持ちになれました。」
「様々な方と交流、ためになるエピソードがたくさんで参考になる点が多かった」
「ロールモデルそれぞれの方のきっかけや転機を聞くことができ自身のことも振り返りや棚卸しをしてみようと考える機会になりました。」
などのお声をいただきました。
【編集後記】
三者三様のキャリアの歩みの中には、それぞれに「迷い」や「不安」の時期がありました。しかし、それをただ恐れるのではなく、自分と向き合うきっかけにしたり、新しい学びのエネルギーに変えたりすることで、現在のキャリアへと繋がっていることがリアルに伝わってくるトークライブでした。
次回の「月イチ・キャリアトーク」は7月15日(水)19:00より、「ピンチをチャンスに変える、キャリアの描き方」をテーマに、現地とオンラインとのハイブリッドで開催予定です。申込みが必要ですので、ぜひ公式HPやInstagramをチェックしてみてください!

