イベント・お知らせ

インタビュー

インタビュー企画【私のストーリー】第4回:藤重知子さん〜遅咲きキャリアで一歩一歩〜

福岡キャリア・カフェ ロールモデルインタビュー企画 【私のストーリー】

このコーナーでは、福岡キャリア・カフェ統括コーディネーターの村山由香里氏が、ロールモデルの女性に取材インタビューを行い、それぞれのキャリアの転機や今思うことなどを語ってもらいながら、「100人100色ワタシ色」のキャリアを描くためのノンフィクション物語とヒントをお届けしていきます。

第四回は、藤重知子さんにお話を伺いました。

藤重 知子さん
合同会社ふじこカンバニ― 代表
業種: 専門サービス業

私のストーリー

卒業と同時に結婚し、何の疑問も持たなかった20代。

声から笑顔が伝わってきそうな弾みのある声の持ち主、藤重知子さん。MCやナレーターを経て、最近では企業研修講師として仕事の幅を広げている。企業、専門学校、大学等での藤重さんの受講生は延べ18000人を超えるという。

そんな藤重さんだが、若い頃、アナウンサーだったわけでも、MCの仕事をしていたわけでもない。20代はどっぷり専業主婦だった。大学時代にお見合いをし、卒業と同時に結婚したのだ。当時は、結婚出産をしたら専業主婦になって子育てするのが当たり前だと思っていた。

一方、同級生たちはバリバリ仕事をしている。そんな姿を見て、「別の世界の人のように感じ、働くことは遠い世界だと思っていました」と振り返る。

運命が変わるきっかけは、公民館の「語り部講座」だった。

「やってみない?」と声かけられ、仕事をこなすうちに

その頃、岡垣町に住んでいた。

町主催の「語り部講座」は錚々たる講師陣で、1年かけて町の物語を掘り起こし、最後は舞台で上演した。発表会でナレーションを担当したところ、町のイベントで司会をしてみないかと声をかけられた。生まれて初めての司会の仕事だった。すると、他からも司会の声がかかるようになり、32歳で地域情報番組キャスターの職を得る。もっと勉強したいと、福岡市にあるアナウンススクールに通うと、専門学校で講師をしないかと声がかかった。

「これ、やってみない?」

「私でよかったら」

声をかけられ、やってみると、できた。

その繰り返しで経験を積んできたという。

「“わらしべキャリア“って、呼んでいるんです、自分のキャリアを。1つ何かをすると、違う話がやってきて、その経験が新しいキャリアになって」 声の仕事の初体験が31歳。32歳でキャスター、35歳でアナウンス事務所に所属、46歳で独立してフリーランスとなり、54歳で法人化し起業した。

私流リーダーシップ

大学院進学、資格取得で自分に磨きをかける

出会いが自分を育ててくれたという藤重さんだが、出会いと経験値だけでキャリアが積めるわけではない。仕事を始めると、若い頃の空白を埋め合わせるかのように、アナウンススクールに通い、44歳で大学院進学、47歳でキャリアコンサルタントの資格を取得した。

30代から40代にかけては仕事、家事育児、介護、勉強といくつものライフイベントが重なった時期でもあった。それに拍車をかけたのが大学院進学だ。修士論文のテーマは、『夫の調理能力と家族関係』。夫が調理ができると離婚率が下がるというデータは以前からあったが、それをさらに深める研究をした。調査協力で夫に調理をしてもらうと、それまで台所に立ったことのなかった夫が家事を率先してするようになった。大学院での学びは、講師業のカリキュラムづくりに大いに役立っているという。

さらに、コロナ禍中に、一般社団法人日本ほめる達人協会が主催する「ほめ達」認定講師の資格を取得した。そこで学んだスキルは企業の管理職研修をする際の自信につながっている。

「話し方」の技術は、リーダーとして重要な武器

「私流リーダーシップは、感謝と情熱と、そして時々弱みを開示すること」という藤重さん。

感謝を伝える時には「ありがとう」だけでなく、何に対しての「ありがとう」なのかを伝える。「資料を見やすくしてくれて」+「ありがとう」、「すぐに返信してくれて」+「ありがとう」。小さいことも言葉にする。

さらに、藤重さんが心がけているのは、「ふた言あいさつ」だ。

例えば、「〇〇さん」+「おはよう」、「一歩前に進んで笑顔で」+「こんにちは」、「わぁ」+「お疲れ様です」など、ちょっとひと言プラスするだけ。

相手の名前を呼ぶ、笑顔でアイコンタクト、感嘆詞をプラスするということは、相手にちゃんと向き合う姿勢を示すことになる。その積み重ねの中で、一緒に仕事をする人たちへの感謝や労い、尊敬、応援などを伝える。

また、苦手なことを伝えると「できます」と手を挙げてくれる人がいて仕事が進むことがある。

弱みを開示するのは、皆の長所を生かして仕事をするため。リーダーだから何でもできるわけではないので、お互い得意なところを出し合って組み合わせて仕事をすることが大事だと思っている。でこぼこのジグソーパズル一つひとつがスクラムを組むと、簡単には崩れないパズルができるし、輪が広がっていく。リーダーもそのパズルの一つだと思う。

私のロールモデル

ロールモデルは決まった人はいない。しかし、その時その時出会った人の中に、お手本にしたり、影響を受けたりした人はいる。岡垣放送のキャスターをしている頃、子育て中の先輩キャスターがいて、自分もできるかもしれないと勇気が持てた。アナウンススクールで出会った、子育てで局アナを退職した人の、ラジオ局に自分を売り込みに行く行動力は心に残った。

今まで自分は、声をかけられ背中を押されてここまできた。これから若い世代にチャンスがあったら声かけをして背中を押せる人になりたいと思う。

社外メンターとして

#介護との両立

#結婚・出産のライフプランとキャリア

#子育て期の離職(休職)を経てのキャリア形成

#自分なりのキャリアの見つけ方

#子育てとの両立 

#起業・フリーランスの働き方

                           

所属事業所概要

合同会社ふじこカンパニー 代表

社員数: 1名

                    

【取材後記】

以前、話し方の研修の講師を藤重さんに何度か依頼した。受講生の30秒、1分といった短い時間での自己紹介に、瞬時にその人の特長を捉え、「伸び代を伝える」その鮮やかさに驚いたことがある。「たくさんの人に教えたから」が答えらしい。声がかかったことを一つひとつ丁寧に仕事し、キャリアを積んできた。人生、何歳からでもスタートできる。そんな希望を与えてくれるロールモデルだ。(取材:文 村山由香里)